SERVICE事業紹介

SERVICE獣医部門

第四胃変位手術

当社では立位右膁部切開大網固定法という術式でおこないます。

つまり「牛を立たせたまま」「右側の肋骨の後の三角形に凹んだところを切開」「四胃ではなく四胃に付着している大網という脂肪組織を縫合固定」するという意味です。

手術時間は切開~縫合終了まで慣れた人で20分くらいです。

 

STEP1

まずは牛の保定。頭部さえ繋げばOK。
枠場・腹帯は使用しない方が体動や寝てしまうなどのトラブルは少ないです。

 

STEP2

当社では第四胃変位手術を実施する際の麻酔に硬膜外麻酔を用いています。
これは、脊髄を覆っている硬膜と骨の間にある硬膜外腔に麻酔薬を注入する方法で、強力な鎮痛効果を得られますが、針を深く刺入してしまうと神経を傷つけてしまい半身不随になってしまうため注意が必要です。
当社では第13胸椎・第1腰椎間または第1・第2腰椎間のどちらかの硬膜外腔に2%キシラジン0.6~0.8ml、2%リドカイン5mlの混合液を3~5秒で注入しています。

 

STEP3

剃毛、消毒をします。

 

STEP4

当社は第四胃変位整復や帝王切開などすべての手術を農場内で行うため、手術中の雑菌による感染予防を心がけています。
写真は手術で使用する器具で、オートクレーブで滅菌しています。直検手袋も滅菌済みのものを使用しています(写真左上の青い物が滅菌直検手袋です)、バイアルインジェクターはバイアルに刺入する方を刺して四胃内のガスを抜くのに使います。
他にも、術部の消毒の徹底、滅菌ドレープの使用・無菌操作(手袋・ガウンの着用)などを行うことで手術中の感染予防を心がけています。


 

STEP5

覆い布をつけて(ボンドで接着)、切皮します。切開の長さは牛の痩太によりますが、大体15~25cmです。

 

STEP6

腹腔内の臓器を触診し(肝、腎、子宮、一胃など)、ついで四胃のガスを抜きます。バイアルインジェクターのバイアル刺入針を四胃の頂点に若干角度をつけて刺入します。ガス抜きはブロアーを用いても良いし、自然に抜けるのを待っても良いです。

 

STEP7

四胃のガスが抜けたら大網を手繰り寄せ、術創に出します。大網の支持組織まで固定用糸を縫いまわし、これを術創の上下部2点に縫い付けます。

 

STEP8

あとは閉腹縫合して終わりです。

株式会社トータルハードマネージメントサービス