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繁殖管理セミナー:質問への回答①

Q1:DC305がなくとも乳検データでわかる指標はあるか

検定成績表の繁殖管理のところをご覧ください。検定毎の授精回数などの数値を見ることが出来ます。繁殖に供さない牛がどれほど考慮されているのかは不明ですが、初回授精の開始日数や毎月の授精頭数などはモニターする数値として重要でしょう。

 

Q2:発情発見率を上げる具体的な方法を教えてください

発情発見が出来ていない農場では次の二つの場合が考えられます。発情がきていない場合と発情を見落としている場合です。

前者は卵巣静止などの状態が考えられ、飼養環境からのアプローチが必要となります。フレッシュチェックでの牛の状態はどうか、VWPを超えた牛で痩せている牛が多く見られていないか、泌乳前期から最盛期あたりの牛を注視してみましょう。移行期の管理を見直す必要があるかもしれません。

後者の発情を見落としている農場では、発情を見つける努力が必要です。発情発見のよい農場では前回の発情または授精から予測した発情予定カレンダーを利用したり、一日の作業の中で決まった時間に発情発見のための見回りをしたりしています。スタンディングやマウンティングなど発情期のダイナミックな動きだけではなく、落ち着きがなかったり、陰部から粘液が垂れていたり、咆哮や目つきが鋭くなったりといった発情徴候も重要なサインです。しっかりと頭に入れて観察しましょう。そして気になった牛は授精師に見せるようにしましょう。そうした積み重ねが発情発見率の向上につながります。

発情発見率向上でもう一つ重要なのは、発情発見をしっかり行える環境であるかどうかという点です。乗駕する場所の状態、過密度、肢蹄の管理などは、発情発見率と密接に関係していると思います。

 

Q3:妊娠率について、ファームノート等のソフトでしか算出できないというお話でしたが、その数字と受胎率×授精率で算出した数値の違いは何なのでしょうか

DC305以外のソフトがどのように妊娠率を計算しているか知らないため、「違い」ということは申し上げられませんが、セミナーで紹介した21日妊娠率とは発情周期21日というものを計算に考慮しています。単純に受胎率×授精率(発情発見率)で妊娠率を求めた場合、重要となるのは授精対象牛をどのように選んでいるかということと、その期間です。DC305の場合は①分娩後VWP(多くは分娩後50日)を過ぎた牛②繁殖に供する牛③空胎である牛という3つの条件を満たしたすべての牛を対象に21日間隔で妊娠率の計算がされています。

妊娠率の計算は1年間の平均を単純に計算するのではなく21日間隔で行われます。そのためリアルタイムに農場の繁殖成績を評価することが出来るのです。

調べたところ21日妊娠率を正確に理解し、計算しているところもあるようです。今後21日妊娠率という考え方は、農場の繁殖成績を評価する数値として普及していくことでしょう。

DC305での妊娠率計算のためのVWPの初期設定値は50日です。農場によってこのVWPの設定の変更によってそれを60日、70日することも可能です。この場合、求められる妊娠率は当然引き上げなければなりません。今回の繁殖セミナーで示した妊娠率評価はあくまでもVWP50日からの評価となります。

 

Q4:受精卵または精子は、融解時に日光や電気、紫外線などの影響を及ぼすのか?

 自然光、蛍光灯、紫外線は受精卵、精子に対して有害だと考えます。マウス実験ですが、マウスの受精卵に様々な光を照射し、子宮内に戻して発育を比較した報告があります。暗い場所に置いた受精卵は3分の2が胎児に成長したが、太陽光を数秒当てると4分の3が正常に育たなくなり多くが胎盤に吸収された。蛍光灯でも同様の悪影響がみられ、紫外線など短波長の成分が多い照明で影響が大きかったとの事です。


引用 県立広島大の堀内俊孝教授(動物生殖細胞工学)とハワイ大の研究グループが米科学アカデミー紀要(電子版)

 

Q5:なぜホル双子より、F1双子の死産率が低いのか?

F1だからではなく、胎児の大きさが重要だと考えています。また、双子は早産にもなりやすいため、人の目がとどき難い時期に分娩などすると死産リスクは高くなると思います。



書いた人:thms(20170426)