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繁殖管理セミナー:質問への回答③


Q11:性判別精液を使用した授精戦略で、1年間の出生状況のデータの中で死産率が高いように感じられましたが流産も含まれているのか?
流産を妊娠日数250日以内の流産と定義するなら流産は含まれていません。集計上早産による死産は入ってきますが、今回の集計に対象牛がいるかはわかりません。それらを踏まえて死産率に関して言えばスライドで示したメス子牛の出生頭数が全体で71頭に対して3頭死産(死産率4.2%)、が高いとはまったく思いません。全道のごくごく平均、よりもやや良好といえる成績でしょう。

図1.png

全道の平成26年度の酪農家ごとの死産率の分布はグラフの通りで、死産率が0%だったの酪農家は10%に満たず、全体の平均では6%となっております。加えて出生して1カ月以内に死廃する子牛が4%おり、合わせると10頭の出生子牛は1か月以内に1頭廃用になるのが北海道の現状です。

 

もし流産も加わると、早期妊娠鑑定(妊鑑30日ごろ)をおこなっている場合流産頭数も増えるので流産率の中央値は68%になり、全受胎頭数に対する流死産率は1015%近くになるでしょう。

Q12:遺伝病も加味されて種付けされているのでしょうか?

スライドで紹介した牧場に関してはメイティングを行っている牧場でしたので、メイティング通りに授精をされていれば現時点で判明している遺伝病は回避されています。遺伝病に関しては年々新しい遺伝病が発見されており、そのために販売中止になる精液も出てきたりするのが育種改良の現状です。遺伝病のリスクを下げるには近交係数が高くならない(6.25%以下)ように交配するのが理想的だと言われています。メイティングを行わずに近交係数も遺伝病も回避するように農家さんや授精師さんが現場で調査するのは大変です。あらかじめメイティングを行っておき、酪農場の現場では。メイティング通りに授精をすることがそれらのリスクを下げるベターな方法でしょう。

Q13:重み付けに沿ったインデックス

「重み付けに沿ったインデックス」は農場独自の総合指数とのことになります。一般的な総合指数としてはNM$(ネットメリット)やTPI(アメリカの総合指数)、NTP(日本の総合指数)などがあります。

 図2.png

NTPは上記グラフのように年々各能力の重み付けが変わってきており、2015年現在の重み付けでは乳生産(乳脂肪量+乳蛋白量)が70%の重み付けとなっておりNTPが高い牛は乳生産が高い牛が多くなります。

 

様々な総合指数がありますが、自身の農場の改良方向に沿った重み付けを作成し、それで血統情報やゲノム情報から総合指数を出し、総合指数をもとに改良していくと育種改良速度が速まるでしょう。

書いた人:thms(20170426)