(株)トータルハード マネジメント サービス

質問コーナーQ&A

お問合せ

トップページ > トピックス&ニュース > 2018年度THMSセミナーの質問への回答2

トピックス&ニュース

2018年度THMSセミナーの質問への回答2

Q1:ビオチンの説明のところで2産以上では白線病の発生が減少していたが、初産は増加していたのは?

 

この論文で、2産以上の牛ではビオチンの添加によって白線病が減少し、初産では有意差なしという結論でした。初産のような若い牛はそもそも白線病のリスクが少なく、ビオチンの添加による効果が現れにくかったのではないかと考えられます。

 

Q2:ソールフラクチャーとは?

sf1.PNG

 ソールフラクチャーはsole(蹄底)fracture(亀裂)から蹄底真皮の損傷を生じ、強い疼痛を示す病変です(写真)。ソールフラクチャーは数年前からアメリカの著名な削蹄師さんが広めた用語です。蹄底と蹄踵の接合部の亀裂であり、後肢内側蹄に多く発生すると言われています。原因として考えられていることは後肢内側の過荷重であり、長時間の起立であると考えられています。治療法は浮いた角質の除去と蹄真皮への負重の軽減、ブロック装着ですが、内側蹄に生じた場合、可能な限り内側蹄反軸側の蹄壁を残して削ることがポイントとなります。

 

Q3:DDM2を足を上げずに評価する方法は?

 

 DD.pngのサムネール画像

写真で示したような手作りの鏡(キッチン用品のフライ返しに小さな鏡を取り付けた物)を用いてパーラーで搾乳中にDD病変を調査した、という報告があります。

この報告の中では、DDに罹患している牛は削蹄の時に足を上げた場合と比較してもかなり精度良く発見できたようです。しかし病変の間違い(例えばM4M0と判断)もあったようです。そして、DDの発生は少ない部位ではありますが、前肢や趾間のDDの発見精度は低かったようです。結論として著者は、M4.1M1など、Mステージを細かく分類することや趾間や前肢のDDを発見する方法としては十分ではないとしていますが、牛群全体のDDの分布を知るためや日々の作業の中でM2を発見する手段としては有効だろうと書いています。

Validation of the M-stage scoring system for digital dermatitis on dairy cows in the milking parlor 」 L. Solano J. Dairy Sci. 100:1592-1603


Q4:THMSで提案している蹄浴スケジュールはあるか?

農場の状況ごとに提案をさせていただき、そして試行錯誤を繰り返しながら進めているのが現状で、特にこれといったプロトコールを推奨しているわけではありません。しかし、今後のM情報で海外の文献を含めていくつか紹介できれば良いと考えています。

Q5:ゴムマットを通路に引いた牛舎、コンクリートの牛舎での跛行牛の数、淘汰率、産次数、繁殖成績などの違いはありますか?

 

様々な報告の中の一例としてですが、ゴムマットを敷くことによって、蹄病処置の必要な牛の数が減少し、跛行スコア(ロコモーションスコア)が減少したことにより、乳脂肪や乳タンパクの増加が見られたという報告があります。

しかし、別の報告では蹄病の数や乳量に有意差はなく、蹄の磨耗が減少したために蹄底潰瘍が増加したり、床の湿度(水分)が高くなることでDDが増加傾向だったという報告もあります。

また、繁殖成績に関してはゴムマットでは発情発見率、空胎日数などの繁殖成績が向上したが、乳量に有意差はなかったとの報告もあります。

淘汰率に関しての詳しいデータは見つけられませんでした。個人的な印象で言えば、ゴムマットでは跛行を原因とする淘汰の増減はわかりませんが、滑りやすいことによる転倒事故や股関節脱臼などが心配されます。

ゴムマットの良い影響としては床が柔らかいことによる活動量の増加や採食時間の増加が乳成分や繁殖成績として現れたと考えられますが、蹄病の発生数についてはまだはっきりとしていないのが現状と考えています。

 

Q6:蹄病の対策としてルーメン内の環境のコントロールも必要と感じたのですが、生菌剤の使用は有効な対策となるか?

 

生菌剤のボバクチン投与により、ルーメン内での乳酸発酵を抑制し、ルーメン環境を整えることで、ルーメンアシドーシスが軽減する傾向があるとの報告があります。生菌剤と蹄病の関係性を直接検討した報告は見つかりませんでしたが、ルーメン内の環境を整えることは重要と考えられます。

書いた人:thms(20180504)