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2018年度THMSセミナーの質問への回答3

・エアーサンプラーの価格

  製品によりますが、30万円~100万円ほどだと思います。高価ですが、問題を可視化し農家さんの理解を高めるツールとしては非常に有用だと思います。


・陽圧換気のダクトチューブの発注などを相談できますか?

  業者様に関しては、設計・発注などのご相談には乗れますが実務はご自分でお願いいたします。弊社の顧客様以外の酪農家さんに関しては、ご連絡をいただければどこまでお力になれるかを相談したいと思います。


・陽圧換気システムの導入費は?

  牛舎の大きさによってファンの能力とチューブの長さが変わります。値段はそれに応じて変化しますが、50頭規模の哺育舎でおよそ30~40万円くらいと思います。


・肺炎予防でドラクシンを使うことはできるのか?

  細菌性またはマイコプラズマ性の肺炎には有効だと思います。作用期間も10日前後と長いので信頼して使えます。


・DC305はいくらか?

  イニシャルコストは約4100㌦で、その後1年ごとに約840㌦かかります。


・哺乳ロボットで離乳した子牛へお湯を給与する場合、期間と量は?

  期間は離乳後、ロボット牛舎にいる1週間ほどです。量は1日2㍑です。この期間と量はその農場ごとの事情に応じてアレンジできると思います。


・吸い合いについて

  吸い合いは初産分娩後の乳頭障害や未経産牛乳房炎の原因となる問題行動です。ミルクの給与量不足、離乳方法(期間や減量法)の失敗、吸引欲が満たされていないなどが原因となります。吸い合いを防ぐために、ミルク給与量は3週令以降では最低8㍑は必要でしょう。離乳は最低10日ほどの期間を設けて2段階でミルクの量を減らしていく方法が良いと思います。吸引欲を満たしてやるために哺乳は乳首でおこなう、飲み終ってもすぐには片付けず吸わせておくなどの工夫が必要です。


・エアーサンプラーの培地はどのようなものを使うのか?

  普通寒天培地です。薬品ディーラーさんから購入可能です。


・哺育ロボットでミルクのあとにお湯を飲ませてもルーメン内での異常発酵や第4胃での消化率低下などは起こらないのでしょうか?

  セミナーの中での話題は「離乳した子牛にミルクの代わりにお湯を飲めるように設定し、吸引欲を満たしてやることで吸い合い行動を防ぐ」というものでした。ミルクのあとにすぐお湯を飲ませるというものではありません。しかし仮にミルクのあとにお湯を飲ませても大量でなければ問題はありません。飲んだミルクは第2胃溝反射によって第3~4胃に流入するのに対して、お湯は第1胃に流入しその後時間をかけて下部消化管に流れます。これとは別に、子牛に大量のお湯(1~2㍑以上)を一気に飲ませると水中毒という状態になる恐れがあります。大量の飲水と血液浸透圧の急激な低下により赤血球が破壊され貧血や血尿などを起こすもので、特に哺乳期間中の子牛は注意が必要です。


・SARAになるとSCCはどうなるのでしょうか?

  SARAが直接の要因となってSCCを上下させることは考えられませんが、SARAがきっかけとなり乳房炎を起こすような場合にはSCCは高くなるでしょう。


・THMSでは飼料設計ソフトは何を使っていますか?

  NDSです。


・糖蜜はSARAにどのような効果がありますか?

  1.TMRの嗜好性を高めたり、選び食い対策として。

      2.炭水化物減をデンプンだけでなく糖にも置き換えることで炭水化物の発酵バリエーションを分散させる。

  3.糖の利用性の高いルーメンプロトゾアの活性を高めることで繊維の消化性を高めることができ、VFAの産生バリエーションを適正に保つ。


・SARAは高泌乳の高DMIの状態では常態化しているのか?

リスクは高いと思います。しかし飼料の調整や給与、カウコンフォート等を上手にマネジメントすることでそのリスクは減らすことができます。たとえば平均採食回数が6回の群と12回の群とではSARAリスクに雲泥の差があることは理解できると思います。これを左右する要因はいくつもあります。飼料設計・給餌回数・餌押し回数・選び食い・過密・給餌スペース・ストールコンフォート・群わけ等々です。SARAリスクを評価するポイントはセミナー中でも紹介した「糞便スコア」「鼻水スコア」「乳成分の変化」などがあります。


・選び食い調査でのパーティクルセパレーターの差の許容範囲は?

  1%以内と言われています。しかし経験的には3%以内くらいなら大丈夫と思います。


・TMR加水前後での乳量や乳成分のデータはありますか?

  乳量に関しては急激な増加ではない場合が多く、1~2か月くらいの幅でみると増加傾向となる感じがします。対して乳成分は比較的早く反応すると思います。


・ストローを使った乾乳TMRで選び食いが観察された場合加水するべきか?

  状況によります。ストローを使った乾乳TMRでの選び食い問題はストローの品質による場合がほとんどだと思います。ストローが5cm以下の細かい状態になっているか?ストローの嗜好性はどうなのか?が重要です。ストローの嗜好性が著しく低い場合などは、ストローの変更をすべきです。ストローを使う場合は麦稈かオーツヘイだと思いますが、麦稈を使う場合は春小麦の麦稈がいいと思います。春小麦はセンイが細かくなりやすく嗜好性も悪くはありませんが、秋まき小麦の麦稈はストローが太く嗜好性もあまりよくありません。経験的には、デントコーンなどの嗜好性の良い粗飼料がある場合は麦稈を使いますが、グラスサイレージのみしかない場合はオーツヘイなどの嗜好性の良いストローをお勧めします。


・高水分グラスサイレージの水分増減にともなう現物給与量の増減量の計算式は?

  増減割合 = 1+(変化前DM-変化後DM)÷変化前DM

 

・TMRの2次発酵防止ではクエン酸、プロピオン酸、ギ酸のどれがいいのでしょうか?

  ギ酸がもっとも確実だと思います。クエン酸やプロピオン酸は嗜好性を落とすこともあるので注意が必要です。他にも嗜好性もよい梅酢などの製品もあります。

書いた人:thms(20180507)