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トピックス&ニュース: 2017年の記事一覧

除角動画

除角は人と牛あるいは牛相互の物理的安全のため、そして飼養スペースの確保に対して利益的に働くため、広く普及しています。
除角が疼痛を伴うことは事実でありますが、牛と人とのより良い関係のために、弊社では鎮痛剤、局所麻酔薬、消炎鎮痛剤を併用して疼痛をコントロールし、子牛へのストレスを軽減する除角を推奨しています。
①鎮痛剤
除角時の強制的な行動制限によるストレスを軽減します、また、人と子牛双方の突発的な事故を防止する役割もあります。
②局所麻酔薬
左右角神経への浸潤麻酔により、除角時の疼痛をコントロールします。
③消炎鎮痛剤
作用時間の長いメロキシカムを使用することで、除角後の慢性疼痛を軽減します。


下記のリンクからYoutubeにアップロードした除角動画を見ることができます。

書いた人:thms(20170525)

繁殖管理セミナー開催しました

去る4月12日、13日に繁殖管理セミナーを開催いたしました。

お忙しい中、本当にたくさんの方に参加していただきました。

ありがとうございました!

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また、セミナーでアンケートに記載していただいた質問への回答を「ニュース&トピックス」のコーナーにアップしました!ぜひ、ご覧ください。



書いた人:thms(20170426)

繁殖管理セミナー:質問への回答③


Q11:性判別精液を使用した授精戦略で、1年間の出生状況のデータの中で死産率が高いように感じられましたが流産も含まれているのか?
流産を妊娠日数250日以内の流産と定義するなら流産は含まれていません。集計上早産による死産は入ってきますが、今回の集計に対象牛がいるかはわかりません。それらを踏まえて死産率に関して言えばスライドで示したメス子牛の出生頭数が全体で71頭に対して3頭死産(死産率4.2%)、が高いとはまったく思いません。全道のごくごく平均、よりもやや良好といえる成績でしょう。

図1.png

全道の平成26年度の酪農家ごとの死産率の分布はグラフの通りで、死産率が0%だったの酪農家は10%に満たず、全体の平均では6%となっております。加えて出生して1カ月以内に死廃する子牛が4%おり、合わせると10頭の出生子牛は1か月以内に1頭廃用になるのが北海道の現状です。

 

もし流産も加わると、早期妊娠鑑定(妊鑑30日ごろ)をおこなっている場合流産頭数も増えるので流産率の中央値は68%になり、全受胎頭数に対する流死産率は1015%近くになるでしょう。

Q12:遺伝病も加味されて種付けされているのでしょうか?

スライドで紹介した牧場に関してはメイティングを行っている牧場でしたので、メイティング通りに授精をされていれば現時点で判明している遺伝病は回避されています。遺伝病に関しては年々新しい遺伝病が発見されており、そのために販売中止になる精液も出てきたりするのが育種改良の現状です。遺伝病のリスクを下げるには近交係数が高くならない(6.25%以下)ように交配するのが理想的だと言われています。メイティングを行わずに近交係数も遺伝病も回避するように農家さんや授精師さんが現場で調査するのは大変です。あらかじめメイティングを行っておき、酪農場の現場では。メイティング通りに授精をすることがそれらのリスクを下げるベターな方法でしょう。

Q13:重み付けに沿ったインデックス

「重み付けに沿ったインデックス」は農場独自の総合指数とのことになります。一般的な総合指数としてはNM$(ネットメリット)やTPI(アメリカの総合指数)、NTP(日本の総合指数)などがあります。

 図2.png

NTPは上記グラフのように年々各能力の重み付けが変わってきており、2015年現在の重み付けでは乳生産(乳脂肪量+乳蛋白量)が70%の重み付けとなっておりNTPが高い牛は乳生産が高い牛が多くなります。

 

様々な総合指数がありますが、自身の農場の改良方向に沿った重み付けを作成し、それで血統情報やゲノム情報から総合指数を出し、総合指数をもとに改良していくと育種改良速度が速まるでしょう。

書いた人:thms(20170426)

繁殖管理セミナー:質問への回答②

Q6:授精回数が増える事で、子宮内の環境が悪くなり受胎しにくくなる事はありませんか?

授精の過程で子宮炎になるのではなく、潜在的な子宮炎により受胎率が悪くなり授精回数が増えるケースがほとんどだと思われます。しかし不衛生な授精器具を使用して、消毒や綺麗に拭かずに授精を行えば、子宮の環境は悪くなると考えられます。

排卵してない牛に連続授精を行い受胎率が上がる結果はありますが、下がるケースは今の所ないです。

 

Q7:NPB(ネガティブ・プロテイン・バランス)によるナックルはあるのでしょうか?

あると思います。難産や過大児牽引など神経麻痺発生要因がなく、分娩後のケトージズなどで急速に錯綜したような牛にナックルが発生することがあります。他の要因ももちろん考慮しなければなりませんが、そうした場合、NPBによる筋肉繊維からのアミノ酸(Labile Protein Reserve)の流出が、筋肉繊維の脆弱化を招き、寝起きに負荷のかかりやすい大腿筋や腓腹筋などの弛緩・下垂・断裂などを引き起こしやすくなり、結果としてナックルになるものと考えられます。

  

Q8:AI後、受胎を安定させる薬があったかとおもいますが、そのメリット、デメリット、使い方、コストなどを知りたい。 

hCGのことだと思います。hCGには授精後5〜8日目でhCGを打つことで、その時点で卵巣に存在する卵胞を黄体化させる作用があります。黄体が増えることで、黄体の形成が弱いことによる不受胎を防ぐ目的です。通常の人工授精のあとや、受精卵移植の時に注射されることがあるようですが、これがどれほど受胎にいい影響があるかは不明です。私は特にお勧めはしていません。また、hCGはステロイドホルモンなので何回も注射すると抗体が作られてしまい、注射が効かなくなります。よって、1乳期に1回までなどと使用回数に制限を設けてい流ようです。実際のところ何回まで注射できるかは私は知りません。

 

Q9:優良農家の繁殖成績とは?

妊娠率25%以上、群平均搾乳日数が一年を通して160日台

  

Q10:初回AIは牛の状態が悪くても、プログラムなどで無理にでもAIしたほうが良いですか?それとも一回飛ばしたほうが良いですか。

基本的に、状態の悪い牛にはお勧めしません。状態が悪い牛ならばその前の問題(周産期〜ピークにかけての飼養管理)に注視します。

書いた人:thms(20170426)

繁殖管理セミナー:質問への回答①

Q1:DC305がなくとも乳検データでわかる指標はあるか

検定成績表の繁殖管理のところをご覧ください。検定毎の授精回数などの数値を見ることが出来ます。繁殖に供さない牛がどれほど考慮されているのかは不明ですが、初回授精の開始日数や毎月の授精頭数などはモニターする数値として重要でしょう。

 

Q2:発情発見率を上げる具体的な方法を教えてください

発情発見が出来ていない農場では次の二つの場合が考えられます。発情がきていない場合と発情を見落としている場合です。

前者は卵巣静止などの状態が考えられ、飼養環境からのアプローチが必要となります。フレッシュチェックでの牛の状態はどうか、VWPを超えた牛で痩せている牛が多く見られていないか、泌乳前期から最盛期あたりの牛を注視してみましょう。移行期の管理を見直す必要があるかもしれません。

後者の発情を見落としている農場では、発情を見つける努力が必要です。発情発見のよい農場では前回の発情または授精から予測した発情予定カレンダーを利用したり、一日の作業の中で決まった時間に発情発見のための見回りをしたりしています。スタンディングやマウンティングなど発情期のダイナミックな動きだけではなく、落ち着きがなかったり、陰部から粘液が垂れていたり、咆哮や目つきが鋭くなったりといった発情徴候も重要なサインです。しっかりと頭に入れて観察しましょう。そして気になった牛は授精師に見せるようにしましょう。そうした積み重ねが発情発見率の向上につながります。

発情発見率向上でもう一つ重要なのは、発情発見をしっかり行える環境であるかどうかという点です。乗駕する場所の状態、過密度、肢蹄の管理などは、発情発見率と密接に関係していると思います。

 

Q3:妊娠率について、ファームノート等のソフトでしか算出できないというお話でしたが、その数字と受胎率×授精率で算出した数値の違いは何なのでしょうか

DC305以外のソフトがどのように妊娠率を計算しているか知らないため、「違い」ということは申し上げられませんが、セミナーで紹介した21日妊娠率とは発情周期21日というものを計算に考慮しています。単純に受胎率×授精率(発情発見率)で妊娠率を求めた場合、重要となるのは授精対象牛をどのように選んでいるかということと、その期間です。DC305の場合は①分娩後VWP(多くは分娩後50日)を過ぎた牛②繁殖に供する牛③空胎である牛という3つの条件を満たしたすべての牛を対象に21日間隔で妊娠率の計算がされています。

妊娠率の計算は1年間の平均を単純に計算するのではなく21日間隔で行われます。そのためリアルタイムに農場の繁殖成績を評価することが出来るのです。

調べたところ21日妊娠率を正確に理解し、計算しているところもあるようです。今後21日妊娠率という考え方は、農場の繁殖成績を評価する数値として普及していくことでしょう。

DC305での妊娠率計算のためのVWPの初期設定値は50日です。農場によってこのVWPの設定の変更によってそれを60日、70日することも可能です。この場合、求められる妊娠率は当然引き上げなければなりません。今回の繁殖セミナーで示した妊娠率評価はあくまでもVWP50日からの評価となります。

 

Q4:受精卵または精子は、融解時に日光や電気、紫外線などの影響を及ぼすのか?

 自然光、蛍光灯、紫外線は受精卵、精子に対して有害だと考えます。マウス実験ですが、マウスの受精卵に様々な光を照射し、子宮内に戻して発育を比較した報告があります。暗い場所に置いた受精卵は3分の2が胎児に成長したが、太陽光を数秒当てると4分の3が正常に育たなくなり多くが胎盤に吸収された。蛍光灯でも同様の悪影響がみられ、紫外線など短波長の成分が多い照明で影響が大きかったとの事です。


引用 県立広島大の堀内俊孝教授(動物生殖細胞工学)とハワイ大の研究グループが米科学アカデミー紀要(電子版)

 

Q5:なぜホル双子より、F1双子の死産率が低いのか?

F1だからではなく、胎児の大きさが重要だと考えています。また、双子は早産にもなりやすいため、人の目がとどき難い時期に分娩などすると死産リスクは高くなると思います。



書いた人:thms(20170426)

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