SERVICE事業紹介

SERVICE授精部門

授精・移植業務のこだわり

 

均一かつ高水準な技術の追求

当社の授精師は、まず授精後30日時点で妊娠鑑定できる直腸検査技術を習得することから始まります。それに加えて、エコーによる子宮・卵巣状態を診断する技術の習得を行います。これは直腸検査だけで子宮・卵巣の状態を100%正確には診断することが困難なためです。当社では「高い直腸検査技術+エコーによる診断」によって授精師の授精・移植技術を及び診断レベルを均一かつ高水準に保つよう努めています。

 

 

衛生的で丁寧な作業

牛が受胎するかどうかは環境や飼料の品質、栄養状態を始めとした多くの要因によって決まり、またそれらはとても変動しやすいものであることが多いです。だからこそ当社では、行った授精・移植に対し、「授精師の作業手技」による影響を少しでも減らすため衛生的で丁寧な作業を心がけています。

具体的には、

等が挙げられます。

 


 

また、その他にも当社では授精後の排卵確認を行っています。これは1回1回の発情を大切にするための取り組みです。現代の乳牛は発情兆候が弱いとよく言われ、発情牛の発見が困難になりつつあります。また、「乳牛における繁殖成績」は農場の生産性(特に平均乳量)に直結しており、いかに「短期間」で必要妊娠頭数を確保できるかが重要です。牛の発情周期は約21日であるため1度の発情の見逃しで21日間をロスしてしまいます。例えば、空胎日数150日を目指すのであれば、VWP(分娩後の授精待期期間)が過ぎた後100日の猶予がありますが、これは発情周期で考えると、5回しかチャンスがないとも考えることができます。この5回のチャンスに受胎率や発情の見逃しなどの要因も含めると、農家さんが「発情牛がいるから授精して欲しい」と授精師を呼んだその一回がいかに重要かが見えてきます。当社ではその「貴重な」発情の1回1回を大切にするために授精翌日に排卵確認を行い、排卵していなければ再度授精を行うといった取り組みを行っています。

 

既存の技術のその先へ

当社では既存の技術だけではなく、受胎率向上や農場の利益につながりそうなことに対して積極的に研究するようにしています。

ここ数年では「エコーのカラードップラー機能の活用」がその一つです。

カラードップラーとは、一部のエコーに搭載された、近づく音と離れていく音の違いを利用して静脈血と動脈血を可視化する機能です。本来は個体診療(特に心臓が悪い牛など)で使用する機能ですが、この機能を活用することで卵胞や黄体の血流量を可視化することができます。前項でもお伝えしましたが、当社では卵巣状態の診断に対して「客観性」を重要視しています。通常のエコーで妊娠の有無や、正確な卵巣の状態(卵胞嚢腫だけなのか、実はその陰に排卵しそうな卵胞があるのか・内腔がある黄体なのか充実した黄体なのかなど)は見分けることができますが、当社ではその技術だけに満足せず、「今見えている卵胞・黄体が本当に良質なものなのか(移植に適した黄体なのか・排卵しそうな卵胞なのかなど)」を突き詰めるため、カラードップラーにより血流量をみることで客観的に診断できるのではないかという調査を行っています。

 


 

このように当社では既存の技術だけで満足することなく、常に農場にとって最善の一手を打てるように調査やチャレンジを続けています。

株式会社トータルハードマネージメントサービス