ベディングカルチャーは牛舎ベッドの敷き料中にふくまれる細菌の種類と数を調査します。細菌学的衛生度の高い敷き料管理は環境性乳房炎マネージメントの重要なポイントとなります。
まず敷き料サンプルを1g計測します。
計測したサンプルを滅菌蒸留水で10万倍に希釈します。
10万倍希釈したサンプル溶液から10mlを別の容器にいれ、そこに90mlの滅菌蒸留水をいれて100万倍希釈のサンプル溶液もつくり、それぞれから10μlをとり、血液寒天培地とマッコンキー培地に塗布、培養します。血液寒天培地はほとんど全ての細菌が生育する培地で、マッコンキーは大腸菌群の選択培地です。
培養結果です。
上から1万倍、10万倍、100万倍希釈した培地です。右側が無処理のおが屑のもので、左側が消石灰を1立米あたり12.5kgいれたおが屑のものです。消石灰をいれたものは1万倍でわずかに細菌の発育がありますが非常に少量です。消石灰によって殺菌された結果です。
注:消石灰で殺菌したおが屑はその後1~2日で再びもとの細菌数に戻ってしまうので効果は持続しません。右側の無処理のおが屑はどの倍率でも非常に多くの細菌が発育しています。大腸菌群は敷き料1g中に100万ヶ以上になると乳房炎感染のリスクが高くなるといわれています。
当社でおこなった過去の調査では、同じおが屑でも製品の処理の仕方によって含まれる細菌の種類と量に違いがあり、つまり同じおが屑でもベッドでの使い方に一工夫が必要な場合があるということです。
また、他の敷き料でもそれぞれ最初に含まれる細菌の種類と量や、その後培養しやすい細菌の種類にも違いがあるようです。