ミルカーの正常作動は効率的な搾乳、牛の乳頭の健康、乳房炎防除などにおいて重要なポイントです。
とくに乳房炎防除という観点からミルカー作動検査をおこなうことがわれわれ獣医師が点検をおこなうメリットだと考えています。
ミルカー点検は搾乳時間外におこなう”静的検査”と搾乳時におこなう”動的検査”にわかれます。
主にポンプの能力、レギュレーター(調圧機)作動検査、パルセーター作動検査、配管の真空漏れ検査の4つについて調べます。
クロー内圧測定、ミルクライン内圧とクロー内圧との差の測定、パルセーター作動検査をしらべます。
レシーバージャー上にAFMをとりつけレギュレーター作動検査をおこなっているところ。
点検結果を用紙に書き込みます。
異常があれば分解清掃して再試験。たいがいこれで何とかなることが多いです。
パルセーター点検。
異常な波形をしめすパルセーター。下が正常な波形図。この場合、前後式のパルセーターの電極の挿し間違いにより前後が逆に動いていたのと、後のパルセーターの作動に異常があり、ライナーゴムが完全に閉じきらない状態で搾乳されていたと思われる。
まれに部品の交換が必要ですが、分解清掃すると多くの場合正常作動になります。このパルセーターはひどく汚れていたのでキレイにし、また電磁弁にも異常があったので交換しました。
搾乳時のクロー内圧とパルセーターの作動検査クロー内圧に異常な変動が見られました。この場合レギュレーターのダイヤフラムがへたっており、交換することで正常な作動に戻りました。